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青少年起業体験プログラム

プログラム実績

徳島県阿南市 「ジュニアベンチャープログラム」(ボランティア)

「株式会社 バルーンカンパニー」班

事業概要
業 種 かき氷、ポップコーン
構 成 中2男子2名、中1男子5名、小2男子1名
売 上 26,600円
経 費 16,565円
利 益 10,035円
現 金 31,035円
借入金 1,000円
資本金 20,000円
一人当り(2株)配当 1,000円
1.一人当り配当は、100円未満を切り捨てにしました。
2.「税金」として利益の10%を預かりました。
3.テントの「場所代」を別途徴収しました(金額は入札にて決定)。
※1〜3の合計金額は寄付金として社会福祉協議会に送金しました。

(1)担当VC 松尾 洋平(徳島大学)さんのレポート

<チーム結成>
イメージ8月26日(土)にVC学習会があった後、27日(日)に、子供たちが集まった。

私が担当したチームは、中学生7人と小学生1人で構成されていた。初めはまとまりがなくて、大丈夫だろうか・・・と心配した。一人、積極的に話しを進めようとする子が出てきてくれたので、即社長に就任していただいて、まとめてもらった。

<事業計画>
イメージ話し合いを聞きながら、「オイオイそれはないだろ」という突っ込みを何度も入れたが、あまり聞いていただけなかったように思う。

商品は、仕入れが安く済むからという理由でポップコーンとジュースに決定。さらにある社員の好みによるかき氷が追加された。営業日は9月下旬なのに、かき氷…。しかし、「かき氷は、はずせない!」というかき氷好きの社員の強い声に、みんなが頷いた。本番9月24日(日)はきっと暑くなる……はず!と自分に言い聞かせざるを得なかった。

(こんなことではほんとのVCは務まらない。反省)

<事業計画の発表>
イメージ事業計画書は時間ギリギリに書き上げて、何とか発表にこぎつけた。結局、制限時間目前までモタモタしていた社員たちに、しびれをきらした私は「ハイ、この商品がいくつ売れてどれだけ儲かるか計算して!これはここに書いて!」と指示して書かせてしまった。そんなふうだったので、詰めが甘かった。

かき氷は、袋詰めですでに完成したものが安いと例の“かき氷社員”が言うので、そのままにしておいたが、「どこに保存しておくの?」という他社からの質問に、みんな一斉に私の顔を見た。しまった…これは、事前に指摘できなかった私の責任だ。「クーラーBOXに入れます」とごまかした。間違いなく解けるなと思いながら。

その後、他のチームのVCから「四角い氷で買った方が安いよ」と教えてもらい、そうすることにした。ポップコーンの方も、当初のかき氷と同じく袋詰めの完成品を購入することになっていた。これは、社員の一人が「安く仕入れができるところを知っている!」と仰っていたので、そうすることにした。それを大きめの紙コップに入れて100円で売る。ちょっと高め。

ジュースは、計画中に下見のため近くのスーパーに行ったときに、24缶で880円、一缶あたり36円のセットを見つけて「コレだ!」となった。確かに、これは安かった。当日の販売値段をジュースとしては安い80円くらいで売っても十分、元をとれる。しかし、「もっと儲けたい!」らしくて、100円で売ることになった。フム、それでも上手くいくだろう。

<会社設立→登記→資金調達>
小学生の社員が暴れまわるのを押さえながら、会社設立→登記→資金調達を順調に進め、一日のプログラムが終了した後に、社長以下3名が「あの(下見した)ジュースを買いに行ってくる!」と飛び出して、ゼイゼイ言いながら24缶入りの箱を3箱抱えて戻ってきた。私は「おお!でかしたぞ!」と褒めちぎりながら、内心「どうか、この情熱が営業当日まで続きますように」と祈っていた。

<準備期間の1ヶ月>
次に集まるのは9月23日(土)と本番の24日(日)である。その日まで、一ヶ月間、できる範囲で準備をしておかなくてはならない。仕入れられるものは買っておくようにアドバイスした。

少し経ってから、様子はどうかなと思い、社長に電話した。

私:「その後、どう?準備とかしてる?」
社長:「いえ、やってません。」
私:「じゃあ、集まって話しとかしてる?」
社長:「いや、ゼンゼン・・・」
私:「・・・」

これではイカン!と思い、社員全員に電話。すると、「部活が忙しくて」「みんなと会う機会がない」etcと、8月27日と比べてモチベーションが落ちている。「当日のことをよく想像して、必要なものをピックアップしといて」「氷を入れるクーラーBOXは家にある?あったら持ってきて」「9月23日に買い出しに行くから、会場の近くで仕入れが安くできそうなお店に目星を付けといて」「かき氷をつくる機械なんかも用意しといて」など、いくつか指示をして、盛り上げようと思ったが、「次に集まる時に動けば、間に合います」と社長。本当に大丈夫だね?と念をおして、電話を切った。

確かに、時間をかけて料理するものもないし、ポップコーンは、完成したものを紙コップに入れるだけ、ジュースは買ってるし、氷も早く買っても保存に困るし、看板とかも前日で十分間に合うな。大丈夫だろう。全員参加ということを確かめて、23日を待つことにした。

<9/23前日準備>
さあ、来たぞこの日が。頑張るぞ。

午前中は、開店から株主総会までのレクチャーを受けた後、すぐに、仕入れに取りかかった。実は、私が知らない間に、ポップコーンの仕入れは済んでおり、残りは、ポップコーンやかき氷を入れるカップである。かき氷の方は、みんな、手に手に家庭用のかき氷機を持ってきており、5台くらいあったので、コレで大丈夫かな、と安易に考えていたところ、NTVPスタッフから、「あれじゃ、生産が追いつかないよ」とのご指摘を受けた。(ちなみにこのご指摘が無かったら大変なことになっていた。本当に感謝!)業務用のかき氷をレンタルしようと社員に話したところ、なんと一人が「僕の家にあるよ!」というではないか!ラッキー!ということで、彼のお父さんがかき氷を運んできてださり、お母さんがかき氷専用のストローとカップ100ずつをいちごとメロンのシロップ付きで持って来てくださった。気が付くと、かき氷の準備は完了していた。もちろんすべて経費を払った。

残りの商品の準備もすぐに完了し(いつの間にか「つかみどり」に使うらしい飴が増えていた)クッキングルームでかき氷も試作(当然、試食も)し、段ボールで看板を作って、あとは、明日を待つばかり。

<9/24販売当日>
イメージいよいよ営業当日。ボランティアフェスティバルの会場には3000人くらいの人が入ってくることが予想されたので営業が上手くいけば売れるはず!しかも、心配していた天気が、この日に回復し、晴天!よっしゃ!かき氷は当たる!

もう一人のVC杉野森くんが社員の体をサンドイッチのように段ボールではさみ、前と後ろに我が社の宣伝を載せて会場を走らせる「サンドイッチマン」を発案し、それがよい広報活動となった。また、誰に教えられるでもなく、社員数人がお客さんに威勢よく声をかけていたり、社長がポップコーンを“移動販売”してくれたりして、頑張っていた。その甲斐あって商品は順調に売れていった。特にかき氷はこの日の暑さのおかげで飛ぶように売れた。閉店1時間前に、ポップコーンが少し残っていたので、「売り切ってしまおう」ということで100円→50円に値下げ。ジュースも残りを、“移動販売”するなど、最後のスパートをかけた。

…気が付くと完売!

閉店ギリギリだった。よくやった、社員たちよ!さあ、しかしここで気を抜いてはいけない。後片付けまできちんと終えるのが大事だと考えていたのだが、もう何人かが、お金の計算をして「利益は?利益は?」と浮かれている。「それは後でできるから、後片付けが先!」と注意すると、社員たちはやっとノロノロと動き始めた。

あれ?社長が見当たらない!?と私が探しているとなんと、他の会社でうどんを食べている!

「すいません。食べてから行きます」との返事だった…。そんな中、ふと見ると、一人、黙々と手際よく掃除をしていた社員がいた。エライ!私はいたく感動して「企業において、職場のキレイさと業績は比例する(by一倉 定さん)んだよ。君は将来、絶対に伸びる!」と言って褒めた。その子はとても物静かな子でこれまでにあまり発言しなくて、大丈夫かな?楽しんでくれてるかな?と心配だったけど、やっぱり人にはそれぞれ特性があって、それに合った仕事をさせれば上手くいくのだな、とその中学生を見ながら、なぜか感慨深く思った。

そういえば、我が社には論理的に話しをする子、放っておいても一人でドンドン進める子、任せた仕事をきちんと仕上げる子、それぞれいて上手くバランスがとれていた。「事業繁栄は人にあり」ということか。

<営業報告書作成→株主総会>
イメージ最後に、営業報告書の作成をして、株主総会に臨む。会計作業は思ったよりてこずった。営業中に記録した商品売り上げの内訳と現金が合わないのだ。何度も計算し、やっと不足した分が見つかりバッチリ合わせて、公認会計士さんに提出したのは全社の中で最後だった。結果は純利益が10000円出て、見事黒字。株主総会も、社長が最後まで元気よく報告してくれて、無事終了した。

<所感>
「今回のこの『ジュニアベンチャープログラムin阿南』に関しては、NTVPの100%、いや120%の出資で行われています。なんでこういうことをしているのかというと、これはもう“啓蒙活動”そのものなのですよ」と、トリニティーコミュニケーションの林社長がおっしゃっていましたが、私も本当にそうだなと感じていました。

去年から始まったこのプログラムは、将来、我が国において起業がさかんとなり、活気ある社会が創造されていくための良き“種”となっていると思います。このプログラムによって子供たちの心に蒔かれた種を育てて実らせるのは、他ならぬ子供たち自身です。それはベンチャーキャピタルという役を授かった私たち大学生も同じです。せっかく得た学びを無駄にしないように、将来は起業家になります(笑)。

参加のきっかけを与えてくださった林さん、私の呼び掛けに快く応じてくれた徳島大学のみなさん、このプログラムの成功に協力してくださった全ての方々、私にいろいろな気づきを与えてくれた他のVCのみなさんや子供たち、そして何よりこのような経験を与えてくださったNTVPのみなさんに心からの感謝を捧げます。本当にありがとうございました。

(2)担当VC 杉野森 貴史(徳島大学)さんのレポート

<VCとして参加してみて>
9月24日、私は今回初めてこの企画に参加しました。私が参加したのは最終日のお店を出して販売する日だったので、右も左も分からない状態からのスタートでした。まず私は社員である小中学生の皆と友達になることから始めました。皆良い子ですぐ話しかけてくる子もいて、とてもやりやすかったです。良い具合にお店の方はスタートできたのですが、うちの看板商品である、かき氷をはじめから100円で販売していきました。途中から150円にUPさせ、売り出したのですが、身内でも150円にするのか200円にするのかで、少々もめました。この辺の応用力、判断力を皆もう少しつけたほうが良いと実感した良い機会だったと思います。子供たちも自分の持場、仕事をきっちりとしていて、物事をやり遂げたと言う満足感に満ちていた顔が印象的でした。

あと、これはVCを含め皆そうですが、しっかり自分たちが売った物を記録しておらず、あとの報告会の時に、凄く困ったことを覚えています。今後このような事が無いようにするため良い勉強になりました。

また、子供たちと同じ目線になって、物事を進めていく難しさと大切さを知りました。興味が無くなるとすぐほかの事をしたりいなくなったりする子を、いかに飽きさせないようにするかが、難しかった事も事実です。

今回のこの企画を通じて子供たちの中に、会社についてとか、社会の仕組み、経営の難しさ、起業家野心など何か感じ取れたものがあると思います。これからの将来を担う子供たちにとって今回の企画は、とても有意義な時間だったのではないかと思う。

現在、日本はベンチャー企業への注目が集まっていますが、アメリカのようにあまり出てきておりません。まだベンチャー企業が活躍する舞台、機能が遅れているのも事実です。今後は学校や企業、子供会や地域が少しでも協力してこのような機会を与えていくべきではないかと考えます。
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